Case studies

ケーススタディ

Case 10遺言とプロベート

 イギリス人の夫が20年日本に住んだ後、日本で亡くなりました。私は日本国籍を持ち、日本で夫と同居していました。遺産は日本とイギリスに所在しています。不動産は日本に自宅1件があるのみで、その他は日本に銀行預金と上場有価証券(日本の証券会社を通じて取引する国内外の株式)が、イギリスに銀行預金がありました。
 夫は日本で公正証書の遺言を残しており、全世界の財産を対象として一切の財産を私に渡す旨を指定していて、遺言の準拠法を日本に指定していました。なお、トラストやジョイント財産はありません。
 この遺言があれば、全ての遺産をすぐに名義変更ができますか?

遺言があっても、イギリスに所在する財産(銀行預金)については、財産の所在国であるイギリスでプロベート裁判が必要となる可能性が高いです。

 英米圏の相続はプロベートという裁判所の裁判を中心に進められる制度となっています。相続で検討する財産が英米圏に所在する「遺産」であるかぎり、特に金融財産と不動産については、遺言の有無にかかわらず、その国に所在する財産情報の開示や相続手続に際して、基本的に裁判所が発行したプロベート審判書の提出が求められる模様です。
 プロベートは数年スパンの長い時間と弁護士等の代理人費用が必要となりますので、スケジュールと予算に注意が必要です。
 なお本件の被相続人は日本の証券会社で外国法人の株式を保有されていましたが、証券会社からプロベートを求められず、遺言の提示のみで問題なく相続手続が完了しました。

Disclaimer:読者の皆様に於かれましては、遺言の有用性およびプロベートの必要ないしプロベートに取り組むかの検討は、専門家に御相談の上ご判断下さい。本稿は弊社の過去の取扱い事例の経験に基づく筆者の私見ですので、本稿を根拠として読者の皆様が判断して行われた取引とその結果に対して、弊社及び筆者は一切責任を負いません。

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