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【コラム】国外財産調書の提出状況について

2021年5月19日

国際相続

国外財産調書制度は、国外財産に係る所得税や相続税の課税の適正化を図る仕組みの一つとして平成25年(2013年)分を初回にスタートしました。その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する居住者は、その翌年3月15日までにその国外財産の種類、数量及び金額等を記載した国外財産調書を税務署長に提出する必要があります。

国税庁は令和3年(2021年)1月28日に「令和元年分の国外財産調書の提出状況について」を公表しました。それによりますと、令和2年(2020年)4月16日を期限として提出された令和元年(2019年)分の国外財産調書は10,652件で、平成30年(2018年)分の9,961件と比較すると6.9%増加していました(下図参照)。総財産額は4兆2,554億円で、このうち有価証券が2兆4,232億円と過半を占めています。 

国外財産調書を提出した上で、そこに記載された国外財産に係る所得税・相続税の申告漏れが生じた場合は、加算税を軽減する措置が講じられます。令和元年分において軽減措置が適用されたケースは214件でした。一方、国外財産調書の提出がない場合又は記載がない国外資産について所得税・相続税の申告漏れが生じた場合は加算税を加重する措置が講じられます。同措置が適用されたケースは475件でした。いずれも平成30年分と比較し増加傾向、特に加重措置の方は2倍近くに増加しており、余分な税負担を避けるためにも、漏れのない記載・提出に留意する必要があります。

最後に、加重措置が適用された実際の事例をご紹介します(平成29.9.1公表採決)。納税者Aはある年分の所得税につき、国外財産に係る所得の申告漏れがあったとして自主的に修正申告書を提出し、その翌月に当該国外財産を記載した国外財産調書を提出しました。すると、国外財産調書に記載のない国外財産について所得税の申告漏れがあったとして、本来の過少申告加算税額の5%相当額が加重措置として課されてしまいました。修正申告書を提出した時点で国外財産調書の提出がない場合には加重措置の対象となりますので、提出の順番にも注意が必要です。

 

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