第180回 四半期開示の見直し、R4年度税制改正-2 過大支払利子税制、企業型DC加入者のiDeCo加入要件緩和、ジョージ・ケナン
2022年6月28日
1.会計(四半期開示の見直し)
今月、金融庁の金融審議会におけるディスクロージャーワーキング・グループは「中長期的な企業価値向上につながる資本市場の構築に向けて」に関しての報告を公表しました。
金融商品取引法の四半期開示義務(第1・第3四半期)を廃止し、 取引所規則に基づく四半期決算短信に「一本化」し、「一本化」の具体化に向けた課題(義務付けのあり方、開示内容、 虚偽記載に対するエンフォースメント、監査法人によるレビュー 等)は、検討を継続する予定です。
2.税務(令和4年度税制改正-2 過大支払利子税制)
現行法で、外国法人に対して過大支払利子税制で課税対象とされる所得は、恒久的施設(以下「PE」)を有する外国法人のPEに帰属する所得に限られている。令和4年度の改正により、本制度の課税対象がPEを有しない外国法人の国内源泉所得ならびにPEを有する外国法人のPE帰属所得以外の国内源泉所得を含むように拡大された。
3. 労務(企業型DC加入者のiDeCo加入要件緩和)
これまで限定的であった企業型DC(確定拠出年金)加入者のiDeCo加入について、令和4年10月より要件が以下の通り緩和される。
1. 企業型DCの事業主掛金、iDeCoの掛金がともに範囲内で各月拠出であること(年単位拠出不可)。
2. マッチング拠出(加入者掛金拠出)を導入している企業型DCに加入している場合は、それを利用していないこと(マッチング拠出とiDeCoの併用不可)。
月額5.5万円(確定給付型の他制度にも加入の場合は2.75万円)から各月の企業型DCの事業主掛金を除いた金額のうち、2万円(確定給付型の他制度にも加入の場合は1.2万円)を上限としてiDeCoの掛金額とすることができる。
出典:厚生労働省 2020年の制度改正 「企業型DC加入者のiDeCo加入の要件緩和(2022年10月1日施行)」
4.今月の名言
民主主義国は怒って戦争をする。
(ジョージ・ケナン)
我が国のかつてのポーツマス条約の講和条件に怒って日比谷公園の焼き討ち事件が起きた様に、国民の熱狂は政府をしてもしばしば制御不能に陥るようです。