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【コラム】2020年税制改正―個人所得税における国外中古建物に関する損益通算の制限①

2020年10月26日

国際相続

2020年(令和2年)の税制改正により「個人所得税における国外中古建物に関する損益通算等の特例」として、富裕層などで行われている海外不動産投資を用いた節税に対する制限が設けられました。

これは個人が国外の中古建物を購入後賃貸することにより、多額の減価償却費を計上して不動産所得で大きな損失を計上し、その他の所得と損益通算することにより所得税額を圧縮する申告事例として問題視されていました。しかし、2020年(令和2年)の税制改正により、国外の中古建物の減価償却費について見積耐用年数の合理性が書類で立証された場合を除いて、国外中古建物の減価償却費に基づく不動産所得の損失額を他の所得との相殺することが不可能となり、結果として所得税の圧縮ができないこととなります。

国外中古建物に関する損益通算の特例は、総合課税における損益通算の制限と、譲渡所得の計算における取得費の加算の2つで構成されています。

今回は損益通算の制限について、基本的なポイントを紹介します。

(1)この制度は2021年(令和3年)分以後の所得税の計算で適用されます。

(2)この制度は個人の所得税での制度です。法人が国外中古建物を保有する場合の法人税には影響はありません。

(3)居住者のみならず、日本に恒久的施設を有する非居住者が日本の恒久的施設を通じて国外中古不動産を購入した場合も、この制度の対象となります。

(4)中古資産の耐用年数の方式と計算方法に変更はありません。この改正は、個人が国外中古建物の耐用年数を簡便法ないし合理性を立証できない見積法を採用して、その耐用年数に基づいて減価償却費を計上し、かつ、不動産所得に損失が生じた場合に、損失金額の一部が損益通算額から除外されるという内容です。

(5)本制度の対象となる建物は、不動産所得を生ずる業務の用に供した建物です。

(つづく)

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